手汗(原発性手掌多汗症)の治療
保険適用の原発性手掌多汗症外用薬である「アポハイドローション」が2023年6月に発売されました。エクリン汗腺にあるムスカリン受容体に対して抗コリン作用により発汗を抑制します。1日1回就寝前に、適量を両手掌全体に塗布します。1回の塗布量は、両手掌に対し5プッシュを目安とします。
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多汗症は、汗の量が非常に多く、日常生活に支障が出ている状態です。原因によって「続発性」と「原発性」に分類されます。「続発性」は発汗の原因になる疾患がある場合、「原発性」は直接的な原因が特にない場合をいいます。
多汗症は発汗する部位によって「全身性」と「局所性」に分類されます。局所性多汗症とは、汗腺が多く存在するわき(腋窩)、手の平(手掌)、足の裏(足底)などの局所の発汗が異常に多い場合をいいます。
保険適用の原発性腋窩多汗症外用薬である「エクロックゲル」が、2020年11月に発売されました。エクリン汗腺の受容体と結合することでアセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑えます。1日1回、わきに外用を続けることで汗の量を抑えることができます。
エクロックゲルに続いて保険適用の原発性腋窩多汗症外用薬である「ラピフォートワイプ」が2022年5月に発売されました。シート型の外用薬になります。エクリン汗腺のM3ムスカリン受容体と結合することでアセチルコリンが結合するのをブロックし過剰な発汗を抑制します。1回使い切りのワイプ製剤です。1日1回、一包に封入されている不織布1枚を用いて薬液を両わきに1回ずつ塗布します。前立腺肥大による排尿障害のある方や、閉塞隅角緑内障のある方は使用できません。
保険適用の原発性手掌多汗症外用薬である「アポハイドローション」が2023年6月に発売されました。エクリン汗腺にあるムスカリン受容体に対して抗コリン作用により発汗を抑制します。1日1回就寝前に、適量を両手掌全体に塗布します。1回の塗布量は、両手掌に対し5プッシュを目安とします。